ひとり情シスのセキュリティ手帖

INCIDENT RESPONSE / メールの初動

不審なメールを
開いてしまったら?

「本文を読んだ」「リンクを押した」「パスワードを入力した」では、確認することが異なります。どこまで操作したかを整理し、早めに社内の担当者へ知らせましょう。はっきり覚えていない場合も、そのまま伝えて構いません。

まず操作を止めて、担当者へ連絡する

追加のクリック、入力、ファイルの実行を止めます。メールへの返信や、本文に書かれた電話番号への連絡はせず、社内で決めた窓口へ電話などで知らせてください。社内に初動手順がある場合は、その手順に従います。

不審なファイルの実行や感染の疑いがある場合は、ネットワークから切り離します。有線LANを抜き、Wi-Fiを切るなどして通信を止め、別の端末や電話で連絡します。業務用の設備や共有サーバーは、現場の責任者・保守窓口にも直ちに連絡してください。

調査に必要な情報を残すため、自己判断でメール・ファイルを削除したり、端末を初期化したりしないでください。電源を切るか、再起動するかも担当者・保守窓口に確認します。

どこまで操作したかで、対応を分ける

複数に当てはまる場合は、行った操作をすべて報告します。この区分だけで感染の有無や安全性を判定することはできません。

本文を読んだ
リンクや添付には触れず、受信時刻・件名・送信者を担当者に伝えます。本文を見ただけで直ちに感染したと決めつけず、警告の有無やメールソフトの更新状況も確認してもらいます。
リンクを押した
表示先で入力・許可・ダウンロードを進めず、開いた時刻と表示内容を報告します。画面の警告やダウンロードの有無も伝えます。URLを確認するために再び開く必要はありません。
パスワード等を入力した
入力途中でも報告します。安全を確認できる別の端末から、ブックマークなどで正規のサービスへアクセスし、担当者と連携してパスワードを速やかに変更します。同じパスワードを使う他のサービスも変更対象です。認証コードの入力や身に覚えのない認証通知の承認も伝えてください。
添付を開いた・実行した
ファイル名と操作を伝えます。ダウンロードのみ、文書を開いた、マクロを許可した、アプリを実行した、の違いも分かる範囲で知らせます。感染が疑われる場合は通信を切り、担当者・保守窓口の指示を待ちます。
金銭・機密情報に関わる
振込、カード情報の入力、顧客情報や社内ファイルの送信があれば、経理や責任者にも至急連絡します。送金済みの場合は金融機関へ、カード情報を入力した場合はカード会社へ速やかに相談します。

アカウントの被害は、パスワード変更だけでは収まらない場合があります。担当者はセッションの失効や設定の確認も進めます。

分かる範囲で伝える、報告メモ

全部の欄を埋める前に、まず連絡してください。次の項目を社内の指定された連絡方法で共有すると、状況を整理しやすくなります。パスワードや認証コードそのものは書きません。

気付いた日時:
氏名・折り返し連絡先:
端末の管理番号・利用場所:
メールの受信時刻・件名・送信者:
行った操作(分かるものすべて):
  本文を見た/リンクを押した/情報を入力した
  ファイルを保存した/開いた/実行・許可した/不明
入力した情報の種類・対象サービス(秘密の値は書かない):
警告・画面の変化・ダウンロードの有無:
すでに行った対応と時刻:
振込・カード情報・社外へのデータ送信の有無:

不審なメールや添付ファイルを、同僚へそのまま転送しないでください。原本は残し、担当者が指定した安全な方法で提出します。画面の記録にも個人情報や秘密情報が含まれることがあるため、共有先を限定します。

ひとり情シスが確認すること

  1. 操作と時刻を整理し、必要な支援を呼ぶ

    報告した社員を責めず、操作・対象端末・対象アカウントを確認します。感染の疑いがあれば端末を隔離し、保守会社やセキュリティ窓口へ相談。対応の時刻、判断者、実施内容を記録します。

  2. 端末とアカウントを分けて調べる

    端末はセキュリティ製品の検知記録や関連ログを保全し、調査方法を保守窓口と決めます。アカウントは正規の管理画面でサインイン履歴、認証方法、転送・振り分け設定、アプリへの許可を確認し、不審なセッションや権限を失効させます。操作は各サービスの公式手順に従います。

  3. 同じメールと業務への影響を確認する

    他の受信者や同様の操作がないか確認し、件名や特徴を使って社内へ注意を促します。自社アカウントからの不審な送信、取引先への影響、情報流出の疑いは責任者と共有し、対外連絡の担当と方針を決めます。

  4. 復旧の判断と、次回の備えを残す

    スキャンで検出されなかったことだけで安全と判断せず、調査結果と専門家の助言を踏まえて再接続・利用再開を決めます。連絡先、時間外の代替担当、認証の復旧手順を見直し、報告しやすい運用に整えます。

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公式資料と相談先

編集・出典確認日:2026年11月6日 / 公式資料を参考に当サイトが整理した一般的な初動案内です。管理人の被害体験・実機検証ではありません。