AI × DOCUMENTS / ひとり情シスの実務
AIでセキュリティルール書類を作る
白紙から社内ルールを書く作業では、章立てや表の項目を考えるだけでも時間がかかります。AIに下書きとフォーマット作成を手伝ってもらい、担当者が自社の運用に合わせて整える手順を紹介します。
管理人の実体験
書類のフォーマット作成にAIを活用
管理人も、AIを活用して書類のフォーマットを作成しました。社内のセキュリティルールを整備する際にも、AIに構成や記載項目のたたき台を出してもらう使い方が考えられます。
以下の手順と指示文は、読者が試せるように当サイトで整理した例です。管理人が実際に入力した指示文や、作成した書類の転載ではありません。
書類が社内で使われるまでの5ステップ
作る書類を1つに絞る
「情報セキュリティ基本方針」「社員向けの利用ルール」「持ち出し申請書」など、対象を決めます。基本方針は経営者の考え、利用ルールは社員が行うこと、申請書は記録する項目を中心にします。
自社の前提を整理する
読む人、対象の機器・業務、承認する役割、連絡先、現在の運用をメモします。AIへは役割名や仮の名称で渡し、顧客情報・社員の個人情報・パスワード・具体的なネットワーク構成を含める前に、会社の利用ルールとサービス契約を確認します。
公式のひな形を手元で確認する
IPAの基本方針・関連規程などを読み、必要な章と確認項目を選びます。AIに参照資料を渡す際も、利用条件と社内の情報取扱いを確認します。資料の正式名称と版、参照日を作業メモに残します。
構成を確認してから本文を作る
まず見出しと不足情報をAIに整理させます。担当者が内容を決めてから本文や申請欄を作ります。運用が未決定の箇所は「要確認」とし、架空の担当者や期限で埋めないよう指定します。
担当者と承認者が確認し、配布する
現場で実行できるか、既存ルールや取引先との契約と矛盾しないかを確認します。承認後、正式な保管先に置き、施行日と相談先を社員へ案内します。見直し日と改訂履歴も残します。
そのまま編集して使える指示文の例
人数や機器、承認経路は自社の内容に置き換えてください。以下は架空の条件による例です。
① 最初に構成と未決定事項を出す
従業員50人、IT担当者1人の会社で使う「情報機器の持ち出しルール」の構成案を作ってください。 対象は会社支給のノートPCです。社員が日常業務で読める、平易な日本語にしてください。 目的、対象、申請・承認、持ち出し中の注意、返却、紛失時の連絡、例外の扱いを含めてください。 承認する人と連絡先は未決定です。「要確認」として残してください。 本文を書く前に、見出し案と、こちらが決める必要のある事項を示してください。
② 確認した構成から書類にする
確認済みの構成を使い、社員向けのルール本文と、持ち出し申請書の書式を作ってください。 本文は「誰が・いつ・何をするか」が分かる表現にしてください。 申請書には、申請日、申請者、管理番号、持ち出し期間、目的、承認欄、返却確認欄を設けてください。 文書番号、版数、施行日、作成担当、承認者、改訂履歴の欄も設けてください。 確認していない社内事情は補わず、「要確認」としてください。 出典は私が確認した資料だけを記載し、確認できない法令や資料名は作らないでください。
③ 運用上の抜けを見直す
この下書きを、運用する社員と管理する担当者の観点で見直してください。 曖昧な表現、担当が決まっていない作業、実施できるか確認が必要な箇所、 例外や紛失時に迷いそうな箇所を一覧にしてください。 指摘、理由、修正案を分けて示してください。
フォーマットを実務につなげる
「適切に管理する」だけでは、社員が取る行動が分かりません。作業と記録を結び付けると、書類を運用に使いやすくなります。
| 場面 | 決めて書くこと | 残す記録 |
|---|---|---|
| 持ち出す前 | 申請者、承認者、申請する時期 | 管理番号・期間・目的・承認 |
| 利用中 | 保管方法、画面ロック、利用できる接続方法 | 必要な設定の確認結果 |
| 返却時 | 返却先、確認する担当、確認項目 | 返却日・確認者 |
| 紛失時 | 最初の連絡先、時間外の連絡方法 | 発生時刻・対象端末・対応経緯 |
正式版にする前の確認ポイント
- 担当者、期限、例外、事故時の連絡が具体的に決まっているか。
- 書類の内容が、実際の設定や現場の作業で守れるか。
- 既存の社内規程、契約、実際の参照資料と照合したか。
- 個人情報などを扱う箇所について、関係部署による確認が済んでいるか。
- 文書番号・版数・施行日・承認者・正式版の保管先が分かるか。
AIの文章は確認・修正を経て承認します。配布後も、問い合わせや実際に困った点を記録し、次の改訂に反映しましょう。
参考にする公式資料
- 基本方針、社員向けハンドブック、関連規程、資産管理台帳のひな形を確認できます。 IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」 ↗
- AIの利用方針や管理体制を検討する際の参照先です。 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」 ↗
確認日 2026年11月6日